提言:ショービジネスに生き方を学ぶ


ここ数年、ハリウッドではアメコミ・ヒーロー物が人気だ。
「アイアンマン」「キャプテンアメリカ」「X-MEN」「マイティ・ソー」。
日本人にはもうひとつピンと来ないキャラクターばかりだが、どれも大ヒットしている。

さらにそれらが全部出てくる「アベンジャーズ」にいたっては、ヒーローが多すぎて、一体誰が何と戦っているのか分からないほどだ。
節操が無いとも言えるが、この大雑把な豪華さこそが現代的だとも言える。

日本も例外ではない。
「笑っていいとも」の最終回では、ダウンタウン・とんねるず・ウンナン・爆笑問題など、大物芸人が一同に介し、お茶の間の話題をさらった。
スタジオアルタの狭いステージ上に大物がひしめき合う豪華な絵面は、見るものを圧倒した。
もしハリウッドなら、すぐに「笑っていいとも最終回2」の制作が開始されることだろう。

大物だからといって、ツンとすましてはいられない。
協力しあって繋がって、より大きなビジネスに結びつける。
出し惜しみをしている場合ではないのだろう。

だが、そんな昨今のショービジネス界において、孤高を保つ存在がいる。
「くまのプーさん」だ。

群雄割拠のディズニーの中にあって、もう何十年も、他のキャラクターとの共演を拒み続けている。
ディズニーショップなどでも、プーさんだけは別コーナーにいる場合が多い。
にもかかわらず、Wikipediaによると、関連グッズの売上は10億ドルにのぼるという。
ハチミツが何百杯も食べられる金額である。

「スティッチも孤高だ」という声もあるかもしれないが、あれは、プーとは格が違う。
100円均一のショップでグッズを売ってたりして、ディズニーの扱いが雑だ。
声も悪い。
むしろミッキー側から共演NGが出ているのだろう。

同じ会社に所属するもの同士、仲良くやればいいのにと思う向きもあるかもしれない。
だが、SNSで誰もがゆるやかに繋がる時代にあって、このプーの「繋がらなさ」は、頼もしくも思える。
プーが「いいね!」と言うのは、ハチミツを見つけた時だけだ。
ミッキーが「こっちにおいでよ!」と、友だち申請をしても、プーの耳には届かない。
ハチミツの壺に頭がはまっていて聞こえないのだろう。

あらためて今、プーさんの生き方を見なおすべきなのではないか。
うん、見なおしてみよう。


・・・すげえバカだな、プー。

(論説委員:コロ田コロ夫)
   

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