提言:これまでのニッポン、これからのニッポン



近年、テレビや新聞・ネットなどにおいて、「日本」 とは何か、再検証するような記事が目立っている。
確かに、不況は長期に渡り、GDPでは中国に抜かれ、経済大国としてのアイデンティティは揺らいでいる。竹島/尖閣などの領土問題では、「どこからどこまでが日本か」 ということをあらためて考えさせられた。むかし 「美しい国ニッポン」 を連呼していた現首相は、いよいよ憲法改正に向けて動き出している。
果たしてニッポンとは、ニッポン人とは何か。

それとは全く別の話として、「ニッポニア・ニッポン」 のことを考えたい。
言わずと知れた、トキのことである。
日本の国鳥ではないにもかかわらず、「ニッポニア・ニッポン」 なんて学術名が付いている、あの不細工な鳥のことである。
なんだろうこの、雑な学術名は。
担当者は酔っ払っていたのではないか。

このニッポニア・ニッポン、われわれ日本人が、なんとか野生に復帰させようと国を上げて努力しているにもかかわらず、なかなかにでたらめな生き物である。
端的に言って、弱い。
数年前には、体長30cmほどのテンに襲われて9羽も死んでしまい、日本中を愕然とさせた。
今年の正月には、好物のどじょうばっかり食べていたらビタミン不足になって、ふらふらになっているところを保護されるという連中も現れた。
若いトキに多いという。
「エサ場が遠い」 というのが理由だそうだ。
反抗期か。

そのトキが、またやらかしてしまった。

放鳥トキ:父鳥が育てていたひな2羽死ぬ 餌不足か -毎日新聞-
環境省は22日、新潟県佐渡市で放鳥されている国の特別天然記念物トキのペアから生まれたひな2羽が死んだと発表した。2羽は、ふ化した後も母鳥が巣に戻らず、父鳥のみに育てられていた・・・( → link


母親、育児放棄である。
現代人か。

どうにも、滅びたがっているようにすら見えるトキだが、こうなったらこっちも意地である。
是が非でも野生に復帰させたい。
日本中の空にトキが舞い、そして田畑に降り立ち、作物を踏み荒らして農家を困らせ、環境省が害鳥に指定して駆除に乗り出すぐらい増やしたい。
同時に、よりニッポンっぽい鳥を見つけ、徐々に気持ちをそっちに切り替えるということも考えたい。

例えばスズメはどうか。
スズメなら、保護などしなくても大量にいるし、人間社会に溶け込むたくましさもある。
それに可愛い。
すばしっこい。
サッカーの香川とか長友とかもこのタイプだ。
ニッポン人がこれから世界で生き残るために必要な要素を、全て持っているのではないか。

古き良きニッポニア・ニッポンを、保護し守っていくだけでは芸がない。
スズメの学術名を 「ニッポニア・ニッポニスト・ニッポン」 などに変更し、みんなで愛でよう。
これからのニッポンのために。

(論説委員:コロ田コロ夫)
   

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